格安な携帯電話会社MVNOとは?
更新日:2024.05.14
「格安スマホ」「格安SIM」を提供する携帯電話会社、それが「MVNO」です。大手の携帯電話会社に比べて、なぜ、MVNOが格安でサービスを提供できるのか、さらにはMVNOのメリットとデメリットも解説します。
そもそもMVNOってどういうもの?
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格安SIMや格安スマホのことを調べていると、「MVNO」という言葉がよく出てきます。これはいったいなんのことなのでしょうか?
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MVNOとは、格安スマホ・格安SIMのサービスを提供している通信事業者、つまり携帯電話会社です。といっても、NTTドコモやau、ソフトバンクと同じではないんですよ。これらをMVNOとは呼びません。その違いは、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社は自前で通信設備を持っているということ。
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え!?MVNOは、携帯電話会社なのに通信設備を持っていないの?
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そうなんです!それを説明する前に……、「基地局」「交換機」といった通信設備を持ち、携帯電話(ここではスマホも含みます)サービスを提供している会社を「移動体通信事業者(MNO・Mobile Network Operator)」といいます。日本のMNOは、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社で、まとめて「3大キャリア」(または単にキャリア)とも呼ばれています。
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なるほど、通信設備を持っている会社はMNOなんですね。
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それに対して、通信設備を持たずに携帯電話サービスを提供している電話会社を「仮想移動体通信事業者」といい、英語の「Mobile Virtual Network Operator」を略して「MVNO」と呼ぶんです。
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でもどうして、MVNOは通信設備を持たないの?
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携帯電話サービスを提供するには、全国にアンテナや基地局が必要になるなど、巨額の初期投資と維持費が必要になります。MVNOはそれらの設備を持たないことで、サービス運営コストをグンと安く抑えているんです。運営コストを安くすることができるから、MVNOはMNOに比べてはるかに安い月額料金でサービス提供ができるんですね。
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そうか!サービス運営コストが安くて、月額料金も安いのがMVNOで、MVNOのスマホやSIMカードが格安スマホ、格安SIMということなんですね。
まとめ
- 自前で通信設備を持つ携帯電話会社を「MNO」と呼ぶ
- 自前で通信設備を持たない携帯電話会社を「MVNO」と呼ぶ
- MVNOは低コストで運営できるため月額料金が格安
MVNOがサービスを安く提供できる仕組み
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MVNOは運営コストが安いのはわかったけど、自前の通信設備がないのにどうやってスマホのサービスを提供しているの?
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いいところに気が付きましたね!実は、自前で通信設備を持っているキャリアに、設備を借りています。「回線を借りている」と考えてもいいでしょう。つまり、MVNOは、3大キャリアのうちいずれかの回線の一部を借りて、それを自社の回線としてユーザーに提供している事業者というわけなんです。
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「回線を借りている」というのがちょっとわかりにくいんですが……?
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例えば、NTTドコモが100車線の幅を持つ、超巨大な有料道路を運営していると考えてみましょう。MVNOはそのうち5車線をNTTドコモから借りて、「自社の運営する有料道路」として通行させているようなイメージです。
MNOとMVNOの回線のイメージ
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なるほど。そういう仕組みか!でも、通信設備を借りるのにタダというわけにはいかないでしょ?「レンタル料」がかかるのに、MVNOがサービスを安く提供できるのはどうして?
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通信設備をいちから作るためには莫大なお金がかかります。それに、作ったあともメンテナンスが必要ですよね。また、エリア拡大や通信品質向上のためには、日々、増強していくことも求められます。MNOの月額料金にはこのようなコストが反映されています。一方、MVNOの運営にはそのようなコストがかかりません。だから安くできるんです。
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スマホのサービスを提供するための通信設備にはそんなにお金がかかっているんですね。借りたほうが安いというわけですか。
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もう1つ重要なのがサポートコスト。MNOは全国に専用ショップを持って、多くのサポートスタッフを揃えています。一方、MVNOはほとんどショップを持たない事業者も多く、申込みやサポートは主にホームページ上で行います。こうして、できる限りコストを削減して、ユーザーに安い回線を提供しようとしているというわけですね!
まとめ
- MVNOは3大キャリアから通信設備を借りることでサービス提供している
- MVNOは初期投資やメンテナンスコストを大幅に低く抑えられている
- MVNOはショップを持たず人件費を抑えているのもコストダウンのポイント
MVNOのメリット・デメリットを知りたい
MVNOのスマホはとにかく安く利用できること。しかしそれだけに、「デメリットはないの?」と心配に思う方もいるでしょう。ここでは、MVNOを利用するメリットとデメリットについて解説します。
メリット1なんといっても月額料金が安い!
「格安スマホ」「格安SIM」というだけあって、MVNOのスマホはMNOのスマホに比べてはるかに安い月額料金で利用できます。
メリット2データ容量の上限を細かく決められる!
高速で通信できるデータ容量の上限を決めるプランとして「3GB」「5GB」「20GB」しか用意されていないと、1ヵ月に使用量がギリギリ10GBに達しないくらいという使い方でも、「20GB」のプランを選ばざるを得ません。
しかし、MVNOはこのデータ容量のプランが比較的豊富。QTモバイルなら「2GB」~「30GB」の6プランから選ぶことができます。これなら自分の使う容量に合わせて無駄のないプランを選ぶことができます。
デメリット1ショップがまったくないか、少ない
MVNOの中にはショップをまったく持たず、申込みやサポートをホームページ上だけで行っている電話会社も少なくありません。それだけに「サポートが手薄いのでは……」という心配もあるでしょう。
だからこそ、MVNOのWebサイトにはよくある疑問を解決するためのQ&Aや、格安SIMや格安スマホについての解説ページが豊富に用意されています。QTモバイルのように、Webサイト上からチャット形式で相談ができるMVNOもあり、「すぐに知りたい」「手軽に質問したい」といった場合には、かえってMVNOのほうが便利な場合もあります。
また、1度、契約してしまえば、実は携帯電話会社のショップに行く機会というのはほとんどないはず。ショップがないことをマイナスに感じることはほとんどないことでしょう。
QTモバイルのチャットサポート
デメリット2キャリアメールなどMNO独自のサービスが使えない
MNOと契約すると、「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@softbank.ne.jp」などの付いた「キャリアメール」のメールアドレスをもらえます。また、有料アプリや有料コンテンツの支払いをスマホの利用料に合算する「キャリア決済」もMNOならではの便利な仕組みです。
MVNOでは、キャリアメールもキャリア決済も利用できません。しかし現在では、「Gmail」を始めとするフリーメールが普及しており、MVNOの利用にはクレジットカードが必要な場合が多く、決済はクレジットカードで行えば済みます。
デメリット3通話定額プランが少ない
MNOのスマホには、「家族」や「同じMNOのユーザー」との通話が無料になるオプションや、24時間通話し放題のプランが用意されていることがあります。MVNOでは、そのようなオプションやプランはあまり用意されていません。しかし、工夫次第で通話料金を抑えることはできます。
例えば、QTモバイルの「10分かけ放題」オプションは、最初の10分までは無料で話せるサービス。多くの人が、日常の通話のほとんどを10分以内で終えているのではないでしょうか。その通話をすべて無料にできるので、通話料を大幅に抑えることができるはずです。
MVNOはどこがいい?どうやって選ぶ?
最後にMVNOの選び方、つまり格安スマホ・格安SIMの契約をする携帯電話会社の上手な選び方を紹介していきましょう。MVNOと一口にいっても、日本にはたくさんの会社が存在しています。自分に合ったMVNOを選べるように、ぜひチェックしておいてください。
月額料金・通信速度は比較基準になりづらい
スマホの会社を選ぶというと「月額料金」「通信速度」を気にする人が多いようです。しかし、MVNOを選ぶ場合、この2つの基準を重視しすぎると失敗してしまうかも。なぜなら、MVNOの月額料金は多少の差はあるものの、ほとんど横並びの状況だからです。また、通信速度に関しては、インターネット上に数多くの速度報告や比較情報があるものの、その数値は計測した場所や時間によって大きく変動するもの。たくさんの情報を集めることで「通信速度が速いMVNO」の傾向はつかめるかもしれませんが、それも週単位・月単位ですぐに変動してしまいます。
そこで、自分に合ったMVNOを選ぶポイントとして、下記の5つを紹介しておきましょう。毎日の使い勝手を考えると、月額料金や通信速度よりも大切になることが多いはずです。
[POINT1]どのMNOの回線を借りているか
自分が持っているスマホのSIMロックを解除して、MVNOの格安SIMを使いたい場合に非常に重要なのが、そのMVNOがどのMNOの回線を借りて運営しているか。例えば、自分が持っているスマホがauのものであれば、auの回線を借りてサービスを提供しているMVNOを選ぶのが無難です。借りている回線はMVNOによって違うので必ず確認しましょう。
QTモバイルは、3大キャリアと呼ばれるNTTドコモ、au、ソフトバンクのすべての回線に対応しています。どのMNOからの乗り換えでも安心して利用可能です。
[POINT2]データ通信プランの種類や数
できるだけ、月のデータ容量プランが多いMVNOを選ぶことも大切です。プランが多く、容量の区分が多いほうが、自分のスマホの使い方に合ったプランを選択しやすく、スマホ代を節約できるからです。
また、最小容量プランと最大容量プラン、それぞれの容量も重要なチェックポイント。「2台目のスマホとして使うから、データ容量はほとんどいらない」「テザリングにも使うのでデータ容量を大きくしておきたい」といった用途にも対応できるからです。QTモバイルなら「2GB」~「30GB」の6プランから選ぶことができます。
[POINT3]サポート体制の充実度
Webサイトの解説が充実しているか、案内がわかりやすいかなども重要です。QTモバイルは、チャット機能を使って人間に直接質問できるので、「Webサイトから自分で目的の情報を見つけるのが苦手」という人でも安心です。
「電話のほうが早い」と思うかもしれませんが、なかなかつながらないサポート電話にイライラした覚えがある人も多いのでは……? チャットならすぐにやり取りが始められるのでストレスもありません。
[POINT4]ショップを持っているかどうか
MVNOの中には、家電量販店内にカウンター(窓口)を持つ事業者もあります。またはQTモバイルのように、自社のショップをいくつか持っている事業者も。新規契約やMNP転入、APN設定のような作業が苦手な場合には、ショップのあるMVNOを探してみてもいいでしょう。
[POINT5]通話料金を節約できるオプションがあるかどうか
MVNOは、基本的に通話料金がやや高めになっています。そこで、通話に使うことが多い場合には通話料金を節約できるオプションのあるMVNOを選択するほうがいいでしょう。QTモバイルには、国内通話が1,600円/月で無制限かけ放題、880円/月で最初の10分までかけ放題といったオプションが用意されています。
MVNOの疑問解決Q&A
QMVNOがたくさんあるのはどうして?
A
日本ではMNOが3社に絞られ、いわば寡占状態にありました。そのことを憂慮した総務省は2015年に「SIMロック解除」を義務化し、MVNOの推進に乗り出しました。MNOを増やすには電波の帯域が不足していますが、MVNOならば既存の通信設備を利用するため、新しく周波数を割り当てる必要もありません。
参入する側としても、自前で通信設備を準備しなければならないMNOに比べ、MVNOならばはるかに低い初期コストで参入できるというメリットがありました。このような背景から、現在は多数のMVNOが存在しています。
- ※本ページに記載されている情報は、2024年5月時点のものです。サービス提供を行う各社により、予告なく変更されている場合がございます。あらかじめご了承ください。
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